こんにちは、NASHIMIDORIです。
突然ですが、次のような考えを抱いたことはありますか?
・SNS、めんどくさい
・SNS、疲れる
・SNS、あまりやりたくない
誰でも1度は、SNSに対してネガティブな感情を抱いたことがあるのではないでしょうか。
「でも、周りの人たちは皆やってるから私もやろ」って、思ったことはありませんか?
今回の記事は、「もしかしたら、SNSをやらない方が幸せかもしれない!」という話をご紹介します。
本記事を簡単にまとめると、
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人は、他人と自分を比べると不幸になる
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SNSでは、社会的比較が現実の世界よりも起きやすい
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なぜ社会的比較をしてしまうのか
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SNSと適度な距離を保とう
となります。
本文では、実際に研究から分かっていることを基に、詳しく解説しています。
そして、最後には「具体的にどのようにSNSと付き合っていけばよいのか」という悩みも解決できます。
「他人と比べないこと以外に、幸せになる方法はどんなものがあるの?」と思った方は、以下の記事を参考にしてみてください。
5冊の幸福に関する本をもとに、明日から使えるワザを大きく7つの項目に分けて紹介しています。
それでは、いきましょう。
1,他人と比べると不幸になる
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周りの人に比べて私は太っているわ
- 俺はこのメンバーの中で一番給料が安い
- 彼女は私よりも性格が悪いからフラれたんだわ
このような考えは、誰もが一度は頭に浮かんだことがあると思います。
心理学では、このように他者と自分を比べることを「社会的比較」と言います。
「幸福な人は、この社会的比較をしない」傾向があるようです。
社会的比較をしないどころか、関心すら持たないというので驚きです。
彼らにとって、他人の業績は関係ありません。
「彼ら自身の内面的な基準を用いて、自分を判断」します。
確かに、世の中を見れば、自分より上の人はいくらでもいるので、他人と自分とを比べているとキリがありません。
自分よりも上がいると常日頃思っていたら、「自尊心を失ったり、不安を感じたり」してしまいます。
もちろん、社会的比較にもメリットがあります。
- 自分よりも上がまだまだ沢山いるから頑張ろう
- あの人と比べたらまだ自分は幸せなほうだ
でも、これらの比較は相対的なものです。
そのため、幸せな人たちが持っている絶対的な判断基準のような、永続性や安定性はありません。
2,SNSは社会的比較の温床
今や、SNSは日常生活に欠かせないものとなっています。
朝起きたら、まずLINEやInstagramのチェックをするという人も多いのではないでしょうか。
- ○○さん、高級そうな旅館に泊まってるなあ。私は今家で一人なのに
- ○○君、あの有名なテーマパーク行ってるんだ。俺なんか今バイト中だぞ?
その際、このように思ったことはありませんか?
このように、人は、「周りの人の華やかな生活を送っている写真のある投稿を見て、自分の生活は劣っている」と考えてしまいます。
そして、これはどうやら、SNSの特性が拍車をかけている現象だと言えそうです。
というのも、研究によれば、SNSには実生活の最も好ましい部分を披露する傾向があります。
そのため、「他人の最高の瞬間」と「自分の何気ない日常の1コマ」という、落差の大きい状態で社会的比較をしてしまいます。
ここで、「SNSと幸福には負の相関関係があることを示す」とある研究をご紹介します。
この研究は、カルフォルニア大学がFacebook利用者である、5208人の男女を対象に行ったものです。
2年間にわたって、対象者の人生の満足度、メンタルの健康、身体の健康、肥満度指数(BMI)の変化を追跡しています。
そして、SNS上の追跡に加え、全員の現実世界での友好関係も調べていて、両者がもたらす影響を直接比べた上での結果を出しています。
結果は、「現実の社会的ネットワークは総合的な幸福度を高めるが、Facebookの利用は総合的な幸福度を下げる」ことが分かりました。
中でも、メンタルの健康とSNS利用時間は強い相関関係があり、Facebookを使ったコミュニケーションが多い人は、翌年の精神状態の悪化につながっていたそう。
そして、他人の投稿に「いいね!」をしたり、他人がシェアしたコンテンツのリンクをクリックしたりする人ほど、身体の健康、メンタルの健康、人生の満足度が低い傾向がありました。
面白いことに、この研究では、「自分の近況を投稿するだけでもメンタルには悪影響が出る」ことが分かりました。
ただ他人の投稿を見て自分の現状と比べなければOKという話ではないということですね。
いずれにしても、SNSをやればやるほど、メンタルが悪くなっていくことを理解していただけたかと思います。
ここで1つ疑問が浮かびます。
なぜ、私たちは現実世界、SNSに関わらず、社会的比較をしてしまうのでしょうか。
次は、「なぜ我々は社会的比較をするのか」について解説します。
3,なぜ我々は社会的比較をするのか
進化という面からみると、人間も他の動物とあまり大差ありません。
人間の世界も、ある意味では「弱肉強食」の世界です。
強い遺伝子は後世へとその遺伝子を残す可能性が高くなる一方で、弱い遺伝子は淘汰される確率が高くなります。
遺伝子を残すには、配偶者を見つける必要があり、その配偶者をめぐって争いが起きるのです。
より強い遺伝子が残っていくというプロセスにおいて重要なのが、「相対的な評価」になります。
では、なぜ相対的な評価が必要なのでしょうか。
ここで、1つの架空の例をご紹介します。
学校生活において、モテに関わる要素に、「運動ができるかどうか」があると思います。
ここでは、「運動できる奴がより強い遺伝子を持っているから異性にモテる」という単純な構造によって、世界が回っているとします。
その世界線において、A君は跳び箱の6段を飛ぶことが出来ます。(これは絶対的な評価ですね)
そして、A君は次の2つの状況で、どちらの方がモテると思いますか?
①自分以外の人は皆5段までしか飛ぶことが出来ない。
②自分以外の人は皆7段まで飛ぶことが出来る。
恐らく、①の周りの人たちが5段までしか飛べない状況では、A君はモテるでしょう。
一方で、②の周りの人たちが7段まで飛ぶことができる状況では、A君は見向きもされないはずです。
なぜなら、②では、A君の周りの人の方が強い遺伝子を持っているということになるからです。
このように、世の中において、より大きな意味を持つのは、「自己の絶対的な価値」ではなく、「集団の中における自分以外の人との比較」です。
そんな、進化の中で培われてきた社会的比較。
一体どうすれば、SNS上での社会的比較を防ぐことが出来るのでしょうか。
次は、その具体的な方法についてご紹介します。
4,SNS上の社会的比較を防ぐ方法2選
①思い切ってアプリを消そう
極端とも言えますが、一番効果があるのは「SNS自体に触れない」と決めることでしょう。
2743人のFacebookユーザーを対象にした実験によって、1か月間SNSを使わない生活を送ると幸福感や人生の満足度が上がり、不安や抗うつが減ることが分かっています。
またまたFacebookに関する研究です。
この研究によれば、個人差はあるものの、1か月のSNS断食で幸福感が最大40%上がるそうです。
ただ、Facebookを1か月使わなかったことによって、世間の動きについていけないというデメリットはあるそうです。
「SNSにハマっている自分を変えたい」、「もうSNSに振り回されたくない」と思う人は、試しに1か月間、SNSに触れない生活を送るのも良いと思います。
②1日3回に制限する
1か月間SNSを離れようと言われても、ほとんどの人は難しいと思います。
そこでオススメなのが、「1日にSNSを開く回数を制限する」という方法です。
タイトルにはわかりやすく、1日3回と書きましたが、自分の生活状況によって、アクセスの回数を変えてみてください。
ちなみに僕は「1日3回」を目安にしています。
なんでも、1日3回にメールを見る回数を制限した人は、そうでない人に比べて、ストレスが減り、幸福度が高くなったそう。
最後に
いかがでしたでしょうか。
今や、多くの人にとって、SNSは日常生活の一部となっています。
そのため、「周りの人がやってるから、私もやろう」と始めた人も多いのではないでしょうか。
そして、SNSに対して、「めんどくさい」などとネガティブな感情を抱いたことがあるのではないでしょうか。
そういう時は、一度SNSと距離をとってみましょう。
そして、そうならないためにも、常日頃からSNSと適度な距離を保って生活しましょう。
最後になりますが、決して「人とのつながりを断つべきということではない」ことに注意してください。
研究からも分かっていますが、ほとんどの人は、良好な人間関係を持つことで人生が豊かになります。
ということで、本日は以上です。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
以下、参考文献を書いておきます。
- 『幸せがずっと続く12の行動習慣』ソニア・リュボミアスキー(2012)
- 『われわれはなぜ嘘つきで自信過剰でお人好しなのか 進化心理学で読み解く、人類の驚くべき戦略』 ウィリアム フォン・ヒッペル(2019)
- 『The Welfare Effects of Social Media』 H Allcott,…(2020)
- 『Why Do people Use Facebook?』 A Nadkami,…(2012)
- 『Negative Social Comparison on Facebook and Depressive Symptoms: Rumination as a Mechanism 』 BA Feinstein,…(2013)
- 『The interplay between Facebook use, social comparison, envy, and depression』 H Appel,…(2016)
- 『Social Ties and Mental Health』 I Kawachi,…(2001)
- 『Checking email less frequently reduces stress』 K Kushlev,…(2015)