こんにちは、NASHIMIDORIです。
突然ですが、あなたは友達や仕事相手が遅刻したとき、イライラしますか?
・自分も30分遅れてくればよかった。
・早く行かないと間に合わない!
・遅刻したなら、せめて急いでるフリぐらいはしてほしい。
などと、考えることはありませんか?
人生の長さは限られています。
そんな大事な自分の時間を奪われているわけですから、イラっとするのは当たり前ではあります。
朝からイライラすることがあると、その日1日上手くいかなくなってしまうこともあります。
振り回されていることに気づき、またイライラするのです。
今回は、イライラを減らせるかもしれない「たった1つのものの見方」をご紹介します。
「ものの見方」というよりかは、「人のクセ」といった方が良いかもしれません。
きっと、遅刻する人に対してイライラする回数が減るはずです!
本記事を簡単にまとめると、
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人は原因が気になる生き物
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一貫性のチェックとは
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根本的な帰属の誤りとは
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まとめ
となります。
それでは行きましょう。
人は原因が気になる生き物
人間は他人がとった行動の理由を知りたがります。
例えば、有名な芸能人が一般の人と結婚したら、なぜ一般人にしたんだろうか、どんな一般人なんだろうか、と気になります。
もっと身近なところでいえば、最近付き合ったカップルにお互いのどこが好きで付き合ったのかを聞いたり、まだ若いのに職場を去ってしまった人がいたら、なぜ辞めたんだろうかと気になったり。
人は、「行動の原因が気になり、そしてその原因を知りたがる生き物」なのです。
一貫性のチェックとは
この原因を探すとき、人は「一貫性」を重視します。
何かが起きたら、その原因は過去の出来事とつながるものがあるだろうと考えるワケです。
例えば、あなたの友人2人が喧嘩をしているとしましょう。
もともと、2人が喧嘩早いタイプの人ということを知っていると、「こんなの日常茶飯事だよ」ってなり、そこまで気にしないと思います。
一方で、もともと2人とも大人しく、温厚な性格であるならば、「どうしたんだろう、なにかあったんじゃないか」と思うでしょう。
友人の性格を踏まえたうえで、今友人がとった行動の原因を探します。
このように、他人の行動の原因を探るとき、人は一貫性を見出そうとするのです。
一貫性の検証ができないとき
ところが、人はすべての他人の一貫性を確認するほど、時間や労力、情報を持ち合わせていません。
そんなとき、「人は一貫性の検証をせずに結論付けをする」という、ショートカットを行います。
例えば、学校内で乱射事件が起きたとしましょう。
みなさんは、この事件の犯人に対してどのような感情を抱きますか?
多くの人は、「きっと精神異常者なんだろう」、「人の心が分からないんじゃないか」と考えるでしょう。
その際、自分や周りの友人がやっていた可能性について考えることはないと思います。
「もしかしたら、近所の人が乱射事件を起こすかもしれない」なんて思いたくないですからね。
その推測は正しいのか
しかし、これらの理由「きっと精神異常者なんだろう」、「人の心が分からないんじゃないか」は正しいのでしょうか?
残念ながらそうとは限りません。
犯行に及んだ人は、学生時代、同級生や先生からもいじめを受けていて、誰も助けてくれなかったから、その復讐をしに来たのかもしれません。
僕たちはこの事件の犯人の経歴や性格についてそこまで詳しくは知りません。
テレビのニュースでは、「もともと気性の荒い人だった」と元同級生は話していると報道していても、その真実は僕らには分かりません。
ところが、なぜ乱射事件を起こしたかは気になるため、我々は一貫性の検証をせずに、「精神異常者だったからこんなことをしたのだろう」と自分の中で腑に落ちる理由を考えるのです。
絶対に起きてほしくない話ではありますが、外国では、郵便局員が同僚を皆殺しにしてしまう事件も起こっているようです。
その類の事件を総称する名前、「ゴーイング・ポスタル」まで出来ているほどです。
根本的な帰属の誤りとは?
人は、「他人の行動の原因を探すとき、その原因を外的要因ではなく内的要因に求める癖」があります。
内的要因とは、「きっと精神異常者なんだろう」、「人の心が分からないんじゃないか」のように、その人の性格、個人的な特徴のことを指します。
反対に、外的要因とは、「日々、ストレスがたまる環境にいたのだろう」のように、その人の周りの環境や状況のことを指します。
この癖のことを、心理学などでは「根本的な帰属の誤り」、「対応バイアス」と呼んでいます。
この説明だけだと分かりにくいので、具体例をいくつか挙げて説明します。
恋人が最近冷たい
もしあなたに恋人がいるなら、「最近なんか彼氏(彼女)冷たいな」と感じることもあるでしょう。
そんなとき、人は「私の気持ちなどどうでもいいのではないか」と内部にその原因を求めます。
「最近仕事が立て込んでいてストレスが溜まっている」といった外部要因は頭の中に無い場合がほとんどです。
つまり、この場合、相手の行動を外部要因ではなく内部要因に求めているということになります。
部下、親密ではない人の遅刻
一番最初に例として挙げた、遅刻に関しても同じようなことが当てはまります。
僕たちは、遅刻してきた人に対して、「だらしない人だ」、「ズボラなんだろうなあ」、「社会人として終わっている」などと考えます。
これらはすべて、「内部要因」です。
「きっと何かトラブルに巻き込まれたんだろうなあ」なんて、最初から考える人はそうそういません。
しかし、立場が逆になったとき、つまり自身が遅刻をしてしまったときは、考え方も真逆になります。
多くの場合、「予想以上に電車が遅延した」、「珍しく朝起きれなかった」などと、外的要因に原因を求めるわけです。
自分が遅刻してしまったときには「社会人として終わってんなあ」なんて考えるひとはまずいないと思います。
まとめ
人は、「他人の行動を内部要因に、自身の行動は外部要因にその理由を求める癖」があります。
この現象のことを「根本的な帰属の誤り」や「対応バイアス」などと呼んでいます。
つまり、人は原因を見つけるのが下手なのです。
これは、様々な実験でも確認されていて、有名なものだとカストロ実験というものがあります。
今回、その内容については解説しませんが、もし気になる方がいたら調べてみてください。
最後に
いかがでしたでしょうか。
私たちは毎日、人と関わりあって生きています。
人と関わるたびに、周りの人の行動に振り回されたり、イライラしたりしています。
しかし、1日は24時間と決まっていて、毎回イライラしていたら、ストレスも溜まるし、終わる仕事も終わりません。
そこで、今回の「根本的な帰属の誤り」を思い出してください。
「自分は相手の性格だけにフォーカスを当てて、相手の行動の原因を探していないか」と問いかけるだけで、かなりのイライラを減らせるはずです。
ということで、本日は以上です。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
以下、参考文献を書いておきます。
- 『行動意思決定論―バイアスの罠』M.H.ベイザーマン、D.A.ムーア(2011)
- 『思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方』デイヴィッド・マクレイニー (2014)
- 『認知バイアス 心に潜むふしぎな働き』鈴木宏昭(2020)
- 『The attribution of attitudes』Edward E. jones and Victor A. Harris (1967)
不老不死の方は例外になりますので、ここは飛ばしてもらって構いません。